忠類川の変遷 -1  忠類川とは

忠類川Salmon Fishing

忠類川とは・・・・

1995年に忠類川でサケ・マス有効利用調査が、開始され多くのフィッシャーマンが標津町と忠類川を訪れ、釣りを楽しんでもらえた事と思います。


-忠類川サケマス調査区間・最下流部-

しかし忠類川や標津町でのサケ釣りの歴史を本当に熟知している人は、いないと思います…「初めて忠類川に来る人」も「何回も来ているベテランの方」も、今一度、忠類川と言う川の生い立ちと日本で初めてのサケ・マス有効利用調査の仕組みを再考してもらう事が、必要だと考えます。


-純粋な天然資源である忠類川のヤマメ –

忠類川には、サケ・マス以外に オショロコマ、ヤマメ等、”北海道独自の生態系”を保っている河川で外来と呼称される生物は、存在していません。現在の北海道の中では非常に貴重な河川の一つでもあります。この忠類川を取り巻く自然は、知床連山の起点とも言え、また千島列島へ続いていく自然形態の始点にもなっており、生物学見解から見ても北海道とアジア大陸が陸続きだった原始の姿を今も残しているのが特徴です。また標津(シベツ)や忠類(チュウルイ)と言う地名は、アイヌ語から言い換えられていて北海道各地に点在している地名と同じ語源から発生したものです。忠類川でサケ釣りが始まった以前にはヤマメ釣りの聖地として北海道の釣り人の憧れの川だった時代もあり、また北海道独自の生息魚種が現在も残る貴重な河川でもあります。


-忠類川の源流部・サマッケヌプリ岳-

忠類川は、サマッケヌプリ岳の湧水を源流にし水源保安林に指定されている山林を削りながら牧草地帯を通り根室海峡へそそぐ、流程43キロ 程の2級河川として指定されている中規模河川です。

この忠類川以南を流れる河川は、ほとんどが湿原独特の蛇行を繰り返す流れの穏やかな川です。しかし忠類川以北の知床半島を流れる河川は、岩盤や岩石が剥き出した本州河川と同様の渓相となり、この忠類川から生態系が、大きく変化する自然界の境界となる河川です。

-金山渓谷で産卵するサクラマス-

また標津十景の一つである「金山渓谷」には、大小3つの滝があります。この金山渓谷には、アイヌの言い伝えで財宝が隠されているとも言われており、現在 も夢をつなげ続けています。また忠類川の流域には、数ヶ所の温泉が、湧き出しています。中でも昔、村営温泉だった川北温泉は、 現在、簡易脱衣所を備えた露天風呂として無料開放されており、毎年、本州からの観光客で賑わいを見せているポイントでもあります。また 金山の滝付近では秋口になるとサクラマスが産卵する風景も見る事が可能です。

※サクラマスは、忠類川で釣りをする事は、禁止されている魚種であり北海道内水面漁業調整規則で守られている魚です。


-赤外線カメラで撮影されたヒグマ 忠類川上流部-

自然林に多く囲まれた忠類川は、全流域を通して多くの自然が残されており、 上流部の自然林は林野庁により”水質保全林”として保護されています。

またこれらの自然林は、ヒグマやエゾシカ、キタキツネ、シマフクロウ等野生動物にとって絶好の棲家ともなって いるのです。

 

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